不順な天候のひと夏

今年の夏は不順な天候が続いて、東京ではなんと20日間以上も雨の降る日が続いたという。
自宅の太陽光発電も、例年の8月よりも3割ほど発電量が少なかった。天然自然は、人の
生命をも生み出し、生きていく全ての源泉であって、その恵みには感謝するばかりだが、
自然のブレ、とりわけ日照や降雨のブレ・・変化には少なからずかく乱され、しばしば
混乱さえ強いられる。もちろん日本に限ったことではなく、世界各地でその影響を受けて
いるようだが、自然災害の深刻さはもはや順常ではない。

一度、災害が発生すれば、被災者の救済や場合によっては被災者の捜索が急務となるが、
加えて・・被災した家屋や公共施設等の復旧等の他、社会経済活動の停止に伴う
損失・・営々として築き上げてきた富が一瞬にして破壊され、そのために失われる
時間的・経済的・精神的な損失たるや、言い表せないほどに甚大である。
まず、災害に対する備えは欠かすことが出来ないが、社会が成熟しつつある我が国に
とっても、災害対策や備えはいまだ充分とはいえない。ましてや新興国においては、その
必要性さえもほとんど理解されておらず、被災しても何の対策もうたれることなく、
あたかも災害がなかったかのように、従前の町並みが再建されることも少なくなく、災害が
繰り返される一因ともなっている。災害による損失(復旧にかかる費用を含む)は、防災の
ために必要な費用に比べはるかに膨大であることは、すでに立証された事実である。
しかし、先行的に予防に経費をかけるとなると、目先の利益や開発がどうしても優先され、
地味な防災施設整備は後回しになるのが、残念ながら現実なのである。

あらゆる自然災害に見舞われる我が国として、長年にわたり自然災害と格闘してきた中で培った
経験、知恵、技術をもって、世界の防災に貢献する時が来ているのではないか。
青年海外協力隊など世界で活躍している若者は少なくない。さまざまな報道を見れば、その
やりがいに志を強くするのは当然のことだろう。そうした活動の中で手にするものは少なくないし、
自らも大きく成長できる。
そこで、土木(建設産業)が持つ社会貢献の可能性を、土木の魅力のひとつとして捉え、若者が
土木に関心を持ち足を踏み入れてくれたら、このうえなく有り難いと思う。